ロミオとジュリエット

 市民劇場で「ロミオとジュリエット」を見ました。
仲代達也さんが、ジュリエットに仮死状態になる薬を与える老神父の役でした。
2列目の端っこで見たのですが、なぜか思いっきり寒くて、底冷えがして、
帰宅してからも、なんだか体中がこわばったみたいに緊張しています。
芝居で驚いたのは、ちゃんとマイクが仕込んであったことです。
それでも言葉が聞き取りにくいところがありました。
シェークスピアの劇は、しゃれた言葉がおもしろいのですが、そのおもしろさが、
十分伝わっていなかったような気がしました。
あれって口の開け方なのかなあとか思いました。

 目が見えない場合、お芝居は、本当は、最前列の真ん中で見るのが
一番わかりやすいのです。
俳優さんたちの動きがとても良くわかるからです。
昔、奈良岡智子さんの「雨」(サマセット・モーム原作)を見た時、
奈良岡さんはサディー・トムスンという娼婦の役でした。
そして奈良岡さんがつけていた香水のおかげで、わたしは奈良岡さんが
今どこにいるかがわかって、とても嬉しかったことがあったのです。
役者さんの中には時々、その役にあった香水などをつけていることがあります。
それって見えないところでの演技だと、わたしは思うのです。
だからわたしもまねして、カルメンを歌った時、「モンジャスミンヌワール」という、ちょっと小悪魔的な香りを使ってみました。
でも、「香水」が大っ嫌いという人もいるので、ほんの少し匂わせるだけだったので、結局自分だけのための「演技」だったのかもしれませんけど……。